1. HOME
  2. ラボグロウンダイヤモンド
  3. 加速するイノベーション
ラボグロウンダイヤモンド

加速するイノベーション

革新的な新商品、流通、顧客ニーズ、組織変革など
新たな「本質」が、求められはじめている


モノからコトに移り変わったマーケットは、経済の
低迷によってイノベーションの加速が後押しされ、革
新的な新商品をはじめ、流通方法の改善、新たな顧客
ニーズの開拓、原材料の供給ルートの開拓・確保、業
界に影響を与えられる組織変革などの必要性によっ
て、新たな本質が求められている。
国連加盟国193カ国による国際目標「SDGs(持続可能な
開発目標)」も本質に影響を及ぼすひとつであり、求め
られる本質の定義も時代により刻々と変化していくので、
国際社会をより正確に見定める必要がある。
大切なのはグローバルな視点でものを考えることで
あり、これまでの消費国日本のままでの考えでいる
と、最先端の商品や付加価値が何か分からず、最先端
の商品を日本に入れることすらできなくなってしまう
恐れも出てくることだろう。

ダイヤモンドビジネスを見てみると、最先端といえ
る動きは、ダイヤモンドの産地を明確にすることや、
研磨などの流通を明確に示すことのできる「トレサビ
リティ」、「Provenance(来歴)」などを取り入れ
ることが徐々にではあるが増えてきている。
ティファニーが、ダイヤモンドの原産地(原産地域
または原産国)情報を共有しはじめたのは2020年か
ら。「紛争と無関係なダイヤモンド」に対して、世界
的に見ても非常に厳格な責任ある資源調達を独自に確
約しはじめた。
国内では「エクセルコダイヤモンド」((株)ニュー
アート・シーマ)が、世界で初めてダイヤモンドの原
石の状態から手元に届くまでの道のりを確認できる
『サリネ・ダイヤモンドジャーニー』を導入したのが
2019年の7月で、それに追随し、様々な企業が生産履
歴の証明に取り組みはじめている。
もうひとつは、長年ダイヤモンドの評価を4Cで定め
ていたことに、「輝きの評価」が加わり、科学的にダ
イヤモンドの美しさを表現できるようになったので、
輝きの品質に応じてダイヤモンドを差別化できるよう
になったこと。レポートもスマートフォンなどで表示
できるデジタルレポートとして視覚化され、マレーシ
アで有名な小売チェーン店が付加価値として、新たな
需要を掘り起こした。また、タイ国の大手小売業者は
技術水準を引き上げることで、同社ブランドの競争優
位性を確保した。ユーザーにとっても自分で確認でき
ることで信頼と安心感が生まれている。日本において
も「ケイウノ」((株)ケイ・ウノ)が輝きの評価を含む
デジタルレポート、「Sarine ProfileTM」を導入してお
り、ユーザーに向けて自社のダイヤモンドの品質の信
頼性を高めることに成功している。


Sarine社アジア統括のNoy Elram氏は「台湾や中国など
でデジタルレポートの需要が高い傾向にありますが、
日本もその内の一つです。Sarine LightTMは、ダイヤ
モンドの輝きをスキャンし、ブリリアンス、スパークル、
ファイア、ライトシンメトリーの4つのパラメーターとして
分析しています。
2つとして同じダイヤモンドがないのと同様、同じ4Cであった
としても光の作用はそれぞれ大きく異なります。ライトパ
フォーマンスグレーディングにおいては、個々のダイヤモ
ンドに関して多くの情報を得ることができるので、2つの
ダイヤモンドの違いをより明確に示すことができます。分
析は人間の主観によるものではなく、完全に科学的な技術
と定義に基づいているので、完全な客観性を得られるの
が大きな利点です。ダイヤモンドの光の反射を計算する
方法は他にもいくつか存在しますが、Sarine LightTMだ
けが厳密な定義に基づいた実際のダイヤモンドの計測を
しており、それによってSarine LightTMは世界で最も正
確なシステムと言われています。」と説明。注意点とし
て挙げられたのは、Dカラーグレード同士の優劣を評価
しないのと同様に、同一グレードにおける比較数値の公
開はしておらず、つまり最高基準となる「Ultimate3」
同士による優劣の評価は提供しないということだ。また
Sarine社は今後更にダイヤモンド産業の信頼性を向上さ
せるテクノロジーとしてAIグレーディングをスタートして
おり、これも人間の主観を排除した客観的なダイヤモンド
グレーディングとして今後の活用が世界的に期待されている
ところ。

どの取り組みも、テクノロジーの進化が流通から素材の
差別化の分野にまで科学的根拠を落とし込んだもので、
これらをいかにダイヤモンドビジネスの発展のために使
うかが、今後の世界的なダイヤモンド業界の発展を左
右すると言っても過言ではない。


これからは、ラボグロウンダイヤモンド(合成ダイ
ヤモンド)をはじめ、今までのジュエリー業界では取
り扱わなかったような商材であったとしても、必ずど
こかに需要は存在し、否定し続けるよりも肯定し、積
極的に業界の一部として共存し続けることが健全な発
展につながると思われる。
需要があるかないかを決めるのは、消費者であり、
業界は消費者に正しい情報を開示するためのルールな
どを整え、正しい情報と不正のない取り組みの中で、
消費者に自由な選択肢を与え続けるのが役割であろ
う。幅広い選択肢から相乗効果を生み出し、業界の発
展を築くことが最も重要である。

取材協力:Sarine Japan 伊藤拓也{takuya.ito@sarinejp.com}