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ラボグロウンダイヤモンドはメレサイズの不足を解消することが難しい[JCK]

ラボグロウンダイヤモンドはメレサイズの不足を解消することが難しい[JCK] 2022.06.25 ロシアウクライナ戦争が勃発して以降、西側諸国による制裁によりロシアの天然ダイヤモンド原石の流通が制限されており、これによって特にメレサイズを含む小さいサイズの供給不足を招いている。天然のメレサイズダイヤモンドに占めるロシア産の割合は50%ほどだと言われている。 *メレサイズ – サイドストーンとして装飾用や、またエタニティリング、パヴェなどに使用される小さいサイズのダイヤモンド。 そこで、この天然ダイヤモンドのメレサイズの不足をラボグロウンダイヤモンドで補い、供給不足を解消したいというアイデアが業界の一部では出ており、先日のJCKラスベガスショーのフォーラムでもそれについて言及された。 しかし、JCKで一部の識者は、ラボグロウンダイヤモンドがこの供給不足を埋めることは期待できないと述べている。 主な理由の一つは、CVD法によるラボグロウンダイヤモンドの生産者は、小さなダイヤモンドよりも大きなダイヤモンドを生産する方が経済合理性が高いと判断しているためだ。 IGIの教育担当シニアディレクター、ジョン・ポラードはこれについて次のように説明する。「CVDダイヤモンドの原石を3mmほどの厚さに成長させれば0.5ct前後の研磨済ダイヤモンドに加工できる。しかし、6mmの厚さに成長させれば、それは4cts前後の研磨済ダイヤモンドに加工できる。そしてそれは2倍の時間もかからない。つまり、研磨やグレーディングのコストなども含めるとカラットあたりのコストは大きい方が効率的になる。」 ラボグロウンダイヤモンドをオンライン掲載しているVDB(ヴァーチャル・ダイヤモンド・ブティック)の共同創設者兼CEOであるターニャ・ニスグレツキーは、小さなサイズのラボグロウンダイヤモンドの生産がもはや経済的でない理由の1つとして、(主な生産地である)中国の賃金上昇を挙げた。 「以前は(ラボグロウンダイヤモンド工場で)何百人もの人々が顕微鏡の前に座り、ピンセットを持って、(ラボグロウンダイヤモンド生産の準備工程として)プレートの上に0.5mmほどのシード(種結晶)を手で設置していました。それは正しい配置に非常に注意深く設置される必要があり、非常に手間のかかる方法です。当時中国の賃金は低く、それによってこのような作業が可能でした。しかし現在では賃金は上昇しており、もはや費用効率的ではなくなっています。」と彼女は言う。 MVIマーケティングのCEO、マーティ・ハーウィッツは「ラボグロウンダイヤモンドの0.01ctや0.02ctのメレサイズがすぐに戻ってくるとは思わない。」と言う。「0.10ct以下のダイヤモンドがファッションジュエリーのカテゴリーとして進化した理由は、アーガイル鉱山のおかげです。アーガイル鉱山は現在閉鎖されています。今、ラボグロウンダイヤモンドを扱う人々は『メレサイズのダイヤモンドでファッションジュエリーを作りたい』と言います。しかし、効率的に成長させることはできません。利益にならないのに、それを生産する理由がないのです。」 彼は、デザイナーとジュエリーメーカーは0.25ctやそれより大きなものをサイドストーンとして使い始める必要があると言う。なぜならそのサイズはカラーやグレードを揃え、スケーラブルなボリュームで効率的に成長させることが可能だからだ。小さいサイズの使用を避け、ジュエリーデザインのパラダイムを再定義させる必要があると彼は述べる。 識者が言及したその他ポイント ラボグロウンダイヤモンドの価格が下落したという一般的な認識があるが、ニスグレツキーは、特定の大きく高品質のダイヤモンドの価格が上昇しており、業者がRapaportプライスを価格参照として使用し続けていることが混乱を引き起こしていると述べた。 「Rapaportプライスが上がると、生産者は価格を調整します。以前80%マイナスだったとしたら、今度は83%マイナスにするといった感じです。そのため人々は80%マイナスと83%マイナスが同じ価格であると気付きにくくなっています。」と彼女は言います。ラボグロウンダイヤモンドはRapaportプライスを基準にすべきではないと彼女は言う。「カラットあたりの価格に基づく必要があります。なぜなら、割引に基づいているのではなく、同一条件商品だからです。」 ハーウィッツは次のように付け加えた。「私の感覚では、主な生産者はRapaportプライスの使用をやめたいと思っています。そして最終的にはそうなると思います。」 ダイヤモンドトリートメント(色の改変処理)の特許満了は、高いカラーグレードのラボグロウンダイヤモンドの生産増加に繋がるだろう、とIGIのポラードは言う。 IGIは、ラボグロウンダイヤモンドのグレーディングレポートに、トリートメント(処理の有無)に関して記載していると彼は述べている。しかし、人々がトリートメントをどう受け止めているかは、使用される成長方法(CVDかHPHTか)によって異なる。 「天然宝石にとってははトリートメントは汚名となります。」と彼は言う。「HPHTは、まさに自然が行っていることの統合です。基本的には、自然が見せてくれたことを再現していると言うことです。」 「CVDはまったく異なるものです。 それは自然を再現するものではありません。それは、本質的にエネルギーを使用して、圧力を使用せずにダイヤモンドを結合させることによって、自然のやり方とは違う方法を見つけたと言うことです。HPHTは自然の成長を再現しているので、成長の後でそれをアニール(処理)する場合、それはトリートメントであるという議論があります。しかし、CVDの場合、トリートメントは自然とは違うもう1つの追加のステップにすぎません。」 ハーウィッツによると、MVIの市場調査では、トリートメントを説明された一部の消費者は「As-Grown(成長したままの – 処理していない)」ダイヤモンドを好むことがわかっている。 「その数は圧倒的ですか?」との質問には彼は「いいえ」と答えた。しかし彼は、トリートメントは生産者に一定のリスクをもたらすと述べた。「トリートメントする場合、ダイヤモンドを生産工場以外の別の施設に送る必要があります。生産者が自分の施設内にトリートメントの設備を持っていることはめったにありません。そしてそれは、管理と透明性に時間とリスクを追加することになります。」 中国は現在、世界のラボグロウンダイヤモンドの半分以上を生産しており、引き続きシェアの大部分を独占するだろうとポラードは予測している。「中国には限界がありません。1,000年の歴史に基づいて、彼らは引き続き業界を支配するでしょう。」 ポラードはまた、ダイヤモンド生産者はファンシーシェイプや新しいカスタムカットを行うようになるだろうと述べた。

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ラボグロウンダイヤモンドの経済学 [RAPAPORT]

2022.06.23 ラボグロウンダイヤモンドの経済学 [RAPAPORT] ラボグロウンダイヤモンドの経済学、と題するラボグロウンダイヤモンド市場に関する最新の考察がRAPAPORTに掲載された。 ラボグロウンダイヤモンドの価格は、一定期間の急激な下落の後で安定傾向に入りつつある。 表面的に見ると、ラボグロウンダイヤモンドの価格は近年急激に下落している。国債市場リサーチ会社、ベイン&カンパニーによるダイヤモンドセクターの最新の年次報告書によると、2021年のポリッシュラボグロウンダイヤモンドの平均小売価格は同等品質の天然ダイヤモンドの約30%であり、2020年の35%の水準から下がっている。同社の推定によると、卸売レベルでは2020年は天然ダイヤモンドの20%の水準であったが、2021年には14%の水準まで下がっているという。 ジュエラー、Zulu Ghevriyaは、現在のラボグロウンダイヤモンドの価格が2年前よりも低いことを認める。ニューヨークを拠点とするラボグロウンダイヤモンドジュエリー専門ブランド、スマイリング・ロックス(Smiling Rocks)の共同創設者は、Rapaportプライスリストの約85%〜90%マイナスでラボグロウンダイヤモンドを仕入れていると述べている。 しかし、ラボグロウンダイヤモンドのカテゴリーには価値が急落したものもあれば、安定、または上昇しているものも存在する。また下降傾向にある商品は価格が横ばいになりつつあり、小売価格は安定している。 「ラボグロウンダイヤモンド業界は独自のペースで業績を上げています。業界が成熟するにつれて、価格は小サイズから大粒まであらゆるカテゴリーで安定するでしょう。」とスマイリング・ロックスのゲワリアは言う。 一般的にマーケットはハイエンドとローエンドに分かれており、この2つの異なるマーケットは価格設定に影響を与える異なる販売構造を持っている。 ハイエンド 高品質のラボグロウンダイヤモンドは、世界中の特に技術的に進んでいる生産者によって生産されている。コンサルタント会社のMVIマーケティングのCEOであり、WD Lab Grown Diamondsの取締役でもあるマーティ・ハーウィッツは、この高品質セクターの価格は比較的安定しており、生産量は人々が期待する速度で増加していないと述べる。 コロナ禍はラボグロウンダイヤモンドの原石を成長させるために必要な材料の不足を引き起こしたため、それが供給不足の原因の一部であるとハーウィッツは説明する。しかし主な要因は、この高品質セクターの分野で(ラボグロウンダイヤモンドを生産させる)十分な知識と経験を持つ科学者の不足だったと彼は言う。「これらの(高品質な)ものを一貫して成長させることは実際に本当に難しいです。これは資本競争ではありません。経験豊富な科学者をチームに獲得できるかどうかの競争なのです。」と彼は述べる。 小売セクターも動きを活発にしている。小売チェーンは消費者の需要に対応すべく一貫した供給を求めており、ジュエリーメーカーは小売業者とリピート供給契約を締結したいと考えている。これを達成するためにこれらの企業は、よりハイレベルなダイヤモンド生産者との長期契約に署名し、より高品質の商品を手に入れるためにプレミアム価格を支払っている、とハーウィッツは言う。これにより、パイプラインの下流では価格が押し上げられる。 ハーウィッツによると、現在の生産能力の成長では消費者および小売業者の需要にスケーラブルな量で対応できなくなり、特に大粒で高品質の商品は2022年末に向けてそうなるだろうという。 価格はどこまで下がるか? 一方、インドのスポットマーケットでは、定期販売契約ではなくオンデマンド販売が行われているため、サプライヤーは大量のローエンドのCVD(ラボグロウンダイヤモンド)在庫をラパポートプライスリストから最大97%マイナスで放出しているとトレーダーは述べている。 インドマーケットにはキャッシュフローが必要だとハーウィッツ氏は説明する。 CVD生産者の多くは、この分野に資金を注ぎ込んだ投資家を満足させたいと考えている。ただし、これらのローエンド商品を購入する流通の中間に位置するプレーヤー(その多くは、数十年の天然ダイヤモンドビジネス経験を持つ歴史あるインドのディーラー)は、収益を維持するために積極的に低価格で商品を提供している。 「これらの卸売業者は、毎日その大幅な割引価格の商品リストを世界中に提供しています。彼らは現在、自分達と生産者両方のためにキャッシュフローを良くしようとしています。しかし遅かれ早かれそれら生産者の投資家は価格設定に不満を抱くようになるでしょう。そして彼らの中には十分な投資のリターンを得ていないと不満に思っている人がいることも知っています。」とハーウィッツは言う。 しかし、生産がコストレベルに近づくにつれて、価格は下落している。業者がさらに料金を引き下げるならば、損失を出して在庫を売ることになるだろう、と匿名を条件に一人のCVD生産者が述べた。「この価格減少傾向は2016年以降続いています。しかし、この減少のレベルは安定し始めています。」 メレサイズダイヤモンド もちろん、ラボグロウンダイヤモンドの価格をRapaportプライスリスト、つまり天然ダイヤモンド市場と比較すると誤解を招く可能性がある。需給に影響を与える要因はカテゴリーごとに異なっており、カラットサイズが大きくなるにつれて天然ダイヤモンドは希少になるが、ラボグロウンダイヤモンドには特異性がある。 例えば、ラボグロウンダイヤモンドのメレの価格は、小売業者がサイドストーンとして多く使用する必要があるため、過去4か月で価格は急上昇した。ラボグロウンダイヤモンドを購入する人は、ジュエリーに天然ダイヤモンドを使用したがらないことが多い、とニューヨークを拠点とするラボグロウンダイヤモンドコンサルタント企業、Diamond DNA Solutionsのベン・ハクマンは言う。これら消費者は以前は通常のジュエリーの購入者層とは異なるため、この傾向は(天然ダイヤモンド)業界にとって必ずしも悪いこととは言えない、と彼は強調する。 「新しい消費者がいて、彼らがラボグロウンダイヤモンドのジュエリーを購入しようとするとき、彼らはその全てをラボグロウンダイヤモンドにしたいと考えています。」 ラボグロウンダイヤモンドのセミマウント(完成したエンゲージメントリングからセンターストーンを差し引いたもの)の需要は、「ラボグロウンダイヤモンドのコンセプト全体を本当に望んでいる消費者がいるため、天井を突破している」と、ラボグロウンダイヤモンドブランドのファイア・ダイヤモンドのマネージングディレクターでもあるハクマンは言う。 この需要傾向に加えて、適切なラボグロウンダイヤモンド原石の不足問題がある。ほとんどのメレサイズのラボグロウンダイヤモンド高圧高温法(HPHT)だ。これは、CVDは特性上、商業ベースで小さなサイズのダイヤモンドを生産することが困難なためだ。 しかし、そこにも問題がある。ほとんどのHPHTは中国で生産されている。匿名の生産者によると、ロシアとウクライナの戦争が始まって以来、高級ブランドは地政学的な問題に敏感になり、交渉不可能な調達要件を導入している。 「HPHTの主要なバイヤーは、中国で生産された商品の購入が不利になる可能性があることを懸念しています。」と彼は言いう。「多くの高級ブランドは、中国やロシアで生産されたダイヤモンドを購入したくないと考えているのです。」 この状況は、サプライチェーンが価格設定にどのように影響するかを浮き彫りにする。 「一部のCVD生産者はメレサイズの生産を行うことができます。我々も少量持っていますが、天然ダイヤモンドよりも高価なラボグロウンダイヤモンドのメレを販売することになるかもしれません。」と生産者は述べる。 価値判断 1ctのカテゴリーでは逆の傾向が見られる。生産が容易になり、供給がより容易になるだろう。同時に、消費者は同等の天然ダイヤモンドよりもはるかに安い価格でさらに大きなダイヤモンドを手に入れることができると認識しているため、需要は停滞している、とフロリダを拠点とするCVD生産者グリーン・ロックスのCEOレオン・ペレスは説明する。 「消費者がラボグロウンダイヤモンドの購入に進んだ場合、彼らは大きな価値を得たと感じることを願っています。それは、彼らが常により大きなダイヤモンドを手に入れることを意味しています。」と彼は見解を述べる。その結果、1ctの価格は2ctよりも早いペースで下落しているという。 他の要因も関連しているという。MVIのハーウィッツは、透明性が高くサスティナブルな生産のダイヤモンドはプレミアム価格になっていると指摘する。加えて、トリートメントされていないダイヤモンドも同様だという。業界ではこれを「As-grown(アズグロウン)」と呼び、これらを一貫して安定生産することは難しいと彼は言う。 また別の関連する問題は、GIAのグレーディングレポートの追加価格だ。これは、トリートメントが行われたかどうかに関する情報を記載しているためだとペレスは述べる。 誰が利益を得るか? 価格が下落しているラボグロウンダイヤモンドのカテゴリーでさえ、消費者は値引きを受けていない。小売業者は同じ価格で販売を続けており、利益率を拡大することがでるとハーウィッツは言う。 Smiling Rocksのゲワリアによると、ラボグロウンダイヤモンドの小売マージンは、天然ダイヤモンドの35%から50%と比較して、約70%になっているという。 もちろん、すべての小売業者が同じというわけではない。大手はより高い価格を設定しているが、独立系企業は一般的に製品をより安くし、より控えめなマージンを設定しているとハーウィッツは述べている。 シグネット・ジュエラーやオンライン小売業者のような大手企業がラボグロウンダイヤモンドを販売しており、高価な販売を行っているとハーウィッツは言う。「小売価格は変更されていません。変わったのは利益率です。彼らは商品をより安く手に入れることができるので、利益は成長しています。」 現在のファクター なぜ消費者は天然ダイヤモンドよりもラボグロウンダイヤモンドを購入するのか?サスティナブルかどうかは議論の余地があるが、サスティナブルだと考えられるからだと言うこともあるだろう。天然ダイヤモンド業界はこれに異議を唱えるだろうが、ダイヤモンドがより「追跡可能」であることが原因である場合もある。しかしながら、主な推進力は経済学だ。つまり、より大きな石をより少ないお金で購入できると言う事だ。 最近の2つの事例がこれを強調している。 1つ目は、ヘルツバーグダイアモンドのCEOであるベリルラフが2月のドバイダイヤモンドカンファレンスで発表したことだ。米国の小売業者は、2021年に天然ダイヤモンドの50倍の量の2ctsのラボグロウンダイヤモンドを販売した、と彼女は聴衆に向かって述べた。 MVIマーケティングのハーウィッツは別の例を述べる。エンゲージメントリング生産を行う企業は、平均して以前よりも大きなアイテムを生産している。 「彼らは、従来の1ct用のヘッドから1.25ct用のヘッドへの劇的な需要変化を見てきました。」と彼は言う。「彼らは、これがラボグロウンダイヤモンドによって推進されていると信じており、これは間違いないと思います。」と述べた。...

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中国製CVDおよびHPHTダイヤモンド

中国製CVDおよびHPHTダイヤモンド 2022年6月22日 Maureen L. Specialist CVD Diamond Color Enhancement HPHT treatment; Lab Grown Diamond; HPHT Application Technology; Cubic Press 世界的に見ると、HPHTキュービックプレスの市場シェアが最も高いのは中国であることが知られています。約80%以上のHPHTラボグロウンダイヤモンドが中国で育成されています。特に最近5年間は、ラボラトリーグロウンダイヤモンド業界のホットさと一般的な認知度の向上に伴い、より多くの企業がHPHTラフの生産にシフトしてきました。このようにして、HPHT原石の生産能力は大きく向上しました。しかし、原石の品質はどうでしょうか。不安定です。中国ではまだ、HPHTの育成を本当にマスターしているのは大手企業数社だけです。彼らは、研究やソビエト連邦諸国の技術のバックアップを受けている。しかし、残念なことに、ほとんどの商品は独占販売されている。 現在、インドのダイヤモンド企業の多くは、現地にHPHT成長工場を建設したいと考えています。1) 数百台のHPHTプレスを設置するためには、CVDリアクターとは比較にならないほどの床面積が必要である。2) 中国では、HPHT産業は50年以上の歴史がある。そのため、セルの製造や成長後の抽出に必要なすべての原材料の入手に便利である。中国には完全な産業チェーンがあり、異なる生産用途にHPHT装置を移行させることが容易である。3) HPHTプレスの製造は、機械を作るだけであり、成長の知識がない。  

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ラボグロウンダイヤモンドの可能性と中国市場について – 豫園ジュエリー

ラボグロウンダイヤモンドの可能性と中国市場について – 豫園ジュエリー 2022.06.21 上海豫園ジュエリー&ファッショングループ(Yuyuan Jewelry and Fashion Group)は、中国市場におけるジュエリー小売トップ企業のうちの一つだ。同社は昨年より、ラボグロウンダイヤモンド専門ブランド「LUSANT」を立ち上げ、展開している。 同社のインキュベーションプロジェクト管理部門ゼネラルマネージャーであるウェイン・ワンに対してのインタビューがRough & Polishedに掲載された。 同氏は2014年5月から2019年5月まで、中華地域のHRDアントワープのマネージングディレクターを務めており、それ以前は、Zbird Diamond社のVIP営業部門購買ディレクターを2年間務めている。 LUSANTについて、また、親会社である上海豫園ジュエリー&ファッショングループについて詳細を教えてください。 豫園ジュエリー&ファッショングループは現在中国のジュエリー小売市場でトップの企業の一つであり、傘下に2つの大きなクラシックゴールドジュエリーブランド「Laomiao(老庙)」と「Asia One」を有しています。年間売上高は200億元(3600億〜4000億円)を超えています。2020年3月、フランスのデザイナージュエリーブランド「DJULA」を買収することで、当社は若い世代が好むファッションジュエリーカテゴリーを推進し始めました。2020年7月にはイタリアのダミアーニグループと中国に合弁会社を設立し、中華市場でのダミアーニの独占販売権及び高級ジュエリーブランド「SALVINI」の独占販売権を取得しました。これによって当社のブランディングポートフォリオは強化されました。2021年8月、豫園ジュエリー&ファッショングループからラボグロウンダイヤモンドブランド「LUSANT」が正式に立ち上げられました。「LUSANT」は、若いファッション愛好家から注目され、また現代の独立した女性を自信を持って輝かせることを目指しています。 中国でラボグロウンダイヤモンドジュエリーを購入する年齢層について、また現在のジュエリー市場全体におけるラボグロウンダイヤモンドジュエリーの割合を教えて下さい。 ラボグロウンダイヤモンドジュエリーの主要な消費者は、インターネット普及の下で成長し、スマートフォンに慣れ親しみ、Eコマースを普段から利用して生活しているZ世代であると考えられます。私たちは、消費行動が、社会的地位の象徴から、個性を表現することへとますますシフトしている顧客層に焦点を当てています。 ラボグロウンダイヤモンドジュエリーの市場シェアに関しては、我々のLUSANTは新しいブランドであり、最初の旗艦店は2022年7月にオープンする予定であるため、現時点でこの質問に答えることはできません。また、ラボグロウンダイヤモンドジュエリー市場は発展途上にあるため、総ジュエリー市場シェアと比較してラボグロウンダイヤモンドジュエリー市場シェアを推定することは重要ではありません。 現在中国のラボグロウンダイヤモンドジュエリー市場の成長可能性について、そして今後数年間でどのような機会が生まれるかについての意見はありますか? ほとんどの人は、ラボグロウンダイヤモンドジュエリー市場の成長に大きな可能性を見出しています。今後ますます多くの新しいラボグロウンダイヤモンドジュエリーブランドが市場に参入し、そして多くの消費者はSNSを介して、率先してラボグロウンダイヤモンドの情報と知識を入手しています。また、友人、同僚、親戚、そしてもちろんインターネット、特にSNSを介して口コミでラボグロウンダイヤモンドの情報を得ています。 またラボグロウンダイヤモンドと天然ダイヤモンドの価格設定の問題とは別に、ラボグロウンダイヤモンドジュエリーが様々なファイシーシェイプ、ファンシーカラーを使用することによってファッションカテゴリーではるかに幅広いデザインの制作を可能にし、またハイテクの感覚を提供することが新しい機会となります。 天然ダイヤモンド業界との競争以外に、ラボグロウンダイヤモンド業界が将来直面する可能性のある他の課題は何だと思いますか? 実際のところ、ラボグロウンダイヤモンドは天然ダイヤモンドの競合相手ではなく、消費者の異なる需要を満たす異なる商品カテゴリになる可能性があります。各アイテムにはそれぞれの価値があります。 大きな課題は、クライアントと業界全体を1つの組織として機能させ、市場が論理的、持続可能性、透明性を持ち、かつ合法的に運営されるようにする方法にあります。 カラージェム(色石)は最近のジュエリー愛好家を捉えています。このジャンルにおけるラボグロウンダイヤモンドジュエリーに関しての意見をお聞かせください。 カラージェムはその色合いにより、天然のダイヤモンドジュエリーやパールジュエリーと比較して、より幅広いジュエリーデザインを提供しています。これに関して、確かにラボグロウンダイヤモンドはテクノロジーによってピンク、ブルー、グリーン、イエローなどのファンシーカラーダイヤモンドを生産できます。また、天然ダイヤモンドの生産コストと比較して安価で提供することができ、またさまざまなファンシーシェイプのダイヤモンドを生産することができます。これらはすべて、カラージェムのように、ジュエリーデザインの想像力を捉えて、これまでに見たり考えたりしたことのない、よりファッショナブルなジュエリー、ギフト、さまざまなカラーのラボグロウンダイヤモンドをセットした装飾品などの製作を可能にします。 ラボグロウンダイヤモンドの競争環境はかなり明白ですが、今後どのような傾向が予測できますか? ラボグロウンダイヤモンドのギフト、装飾品、ファッションアクセサリーなど、これまで見られなかった商品カテゴリーがますます増えると思います。 市場では、ラボグロウンダイヤモンド市場でクロスカテゴリー現象が見られると思います。そしてそれはまた、市場の規模が絶えず成長することを意味します。市場はラボグロウンダイヤモンドジュエリーの受け入れが増えるでしょう。 LUSANTはジュエリーを輸出する予定がありますか?ラボグロウンダイヤモンドジュエリーに対して、世界のどの消費者市場が需要が高いと思いますか? 世界で最も成熟したラボグロウンダイヤモンド市場の1つである北米市場に参入する計画があります。 中国のラボグロウンダイヤモンド生産能力、特にHPHTでの競争優位性、高品質のCVD、中国の強力なジュエリー生産能力、そして巨大な市場規模には多くのチャンスがあると思います。 ラボグロウンダイヤモンドジュエリーは天然ダイヤモンドとどのように競争すると思いますか?またこの傾向は今後数年間でどのように広がると思いますか? 天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドの間に本当の競争はないと思います。それは別のカテゴリーの商品だからです。ただし、その化学的および物理的同一性のために、業界全体が消費者への情報開示に勤める必要があると思います。 近年、世界的にラボグロウンダイヤモンドの生産量が急増しています。この分野はさらに成長すると思いますか?商品の過剰生産によりラボグロウンダイヤモンドの価格が下がったの報告もありますが、中国での価格シナリオをどう考えますか? はい、ラボグロウンダイヤモンドの生産、特にHPHTの生産が増加し、またますます多くの人がCVD分野に投資または投資を計画しており、この2年間でCVD生産者の数は絶えず増加しています。 ただし、ラボグロウンダイヤモンドの生産、特にCVDの生産には、依然として非常に高い技術的またはノウハウの参入障壁があります。したがって今後数年間、高品質のHPHT、CVD、またはピンク、ブルー、イエローのファンシーカラーラボグロウンダイヤモンドの不足は続くとみられ、価格に大きな影響はないと考えられます。通常および低品質のラボグロウンダイヤモンド、つまり通常のラウンド1ctサイズの価格は、生産コストの限界に達するまでさらに下がる可能性があると思います。    

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Gem-Aインストゥルメンツでは、ASSURE Tested Diamond Verification Instrumentsを販売しています。

Gem-A Gem-Aインストゥルメンツでは、ASSURE Tested Diamond Verification Instrumentsを販売しています。 これらは、天然ダイヤモンドと実験室で育成されたダイヤモンドやシミュラントを分離する、第三者機関によってテストされた機器です。 6月20日から7月29日まで、ロンドン・ダイヤモンド取引所において、天然ダイヤモンド協議会が主催するイベントが開催され、ジュエラーが様々な機器を試し、自分のビジネス環境にどのようにフィットするかを確認することができます。 ジェモメトリックス社のジェムペンとプレシディウム社の合成ダイヤモンドスクリーナーIIについては、弊社に在庫がございますので、ご不明な点がございましたら、イーリープレイスにあるジェムエー本社までお越しいただければ、さらに詳しくご質問いただくことができます。 詳しくは、instruments@gem-a.com からご予約をお願いします。 ロンドンダイヤモンドブースイベントの詳細については、こちら: https://lnkd.in/ea27d72N      

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ラボグロウンダイヤモンドの消費者は主に若くて技術に精通しています

Sarine Technologies 中国初の国際LGD会議での講演後、サリンAPACマネージングディレクターのノイ・エルラムは、「ラボグロウンダイヤモンドの消費者は主に若くて技術に精通しています。彼らはデジタル言語を話し、店舗での高度な小売体験を期待しているのです。ラボグロウンダイヤモンドはテクノロジーによって生み出され、テクノロジーによって鑑定・展示されるべきものです。 サリーンは、革新的で効率的なeGrading™ソリューションと魅力的なデジタルレポートを使って、ラボグロウンダイヤモンドの小売業者にも付加価値を提供しています。 Learn more about our cutting-edge retail solutions >> https://hubs.la/Q01c_hFR0    

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LVMHグループはラボグロウンダイヤモンドへ投資を実行

LVMHグループはラボグロウンダイヤモンドへ投資を実行 2022.06.13 ティファニーやブルガリなどを有するLVMHグループの投資ファンドである『LVMHラグジュアリー・ベンチャーズ(LVMH LUXURY VENTURES)』は、イスラエルを拠点とするラボグロウンダイヤモンド生産者、LUSIXへ投資したことを明らかにした。 LUSIXは、LVMHラグジュアリー・ベンチャーズと共にRagnar Crossover Fund、More Investmentsなどからの9000万ドルの投資ラウンドを完了したことを発表している。同社はこの投資によってイスラエルでの生産能力の拡大を促進し、今年の夏に生産を開始する2番目の100%太陽光発電の最先端の施設に使用するとしている。新しい施設により、LUSIXはラボグロウンダイヤモンドの需要の高まりに対応できるようになるという。 LVMHラグジュアリー・ベンチャーズのポートフォリオの中で、LUSIXはMadHappy、Gabriella Hearst、Versed、StadiumGoodsに加わることになり、LVMHの投資優先順位がラグジュアリー市場における新たなトレンドとイノベーションの最前線にあるブランドであることは明白だ。具体的には、「製品とサービスの特徴と品質で認められ、大きな成長の可能性を秘めた象徴的な高級ブランド」に投資している。 LUSIXはLVMHのこの方針に合致している。LUSIXはラボグロウンダイヤモンド業界初の100%太陽光発電によるダイヤモンド生産者であり、そのダイヤモンドは「サングロウンダイヤモンド」という名前のブランドで販売されている。大規模なリアクターを使用し、無色とカラーのダイヤモンド原石の両方を生産することができ、プレミアム品質のラボグロウンダイヤモンド業界をリードする生産者の1つだ。 「ラボグロウンダイヤモンド市場へのLVMHの投資は、ラボグロウンダイヤモンドがラグジュアリー商品になりつつあるという声明になります。」と、ジュエリー市場専門のリサーチ会社であるThe MVEyeの創設者、マーティ・ハーウィッツは述べた。「現在、ラボグロウンダイヤモンドの需要は天井を抜けており、供給がその成長を妨げています。LUSIXへのLVMHの投資により(LVMHは)プレミアム品質のラボグロウンダイヤモンドの供給を確保できます。」と彼は続けた。 LUSIX ベニー・ランダ創設者兼会長 LUSIXのテクノロジーは、LVMHにとって魅力的なものであった。同社はベニー・ランダによって設立された。ベニー・ランダは、2002年にヒューレットパッカードに売却されたインディゴプリンティングカンパニーでデジタル印刷技術を進歩させた。その後彼はランダグループを設立、その下でナノテクノロジーの研究と応用の為のランダ・ラボを設立した。LUSIXはランダと、カリフォルニア大学バークレー校で物理学を専門とする共同創設者のヨッシー・ヤロン博士によって、2016年にスピンオフした。 ランダは「LVMHによる支援は、LUSIXとラボグロウダイヤモンドセグメントの両方に対する影響が非常に大きく、非常にエキサイティングであり、当社の成功に大きく貢献すると考えています。」と述べている。 LUSIX独自のピラミッドダイヤモンド原石 これはラボグロウンダイヤモンド業界全体にとって大きなニュースになった。ラボグロウンダイヤモンド市場は現在で合計60億ドル弱と推定されており、2025年までにこの2倍になると予測されている。 LVMHはこの投資によりラボグロウンダイヤモンドに対して公式のラグジュアリー商品としての「許可証」を与えたことになり、この市場の成長速度が加速するのは間違いないとみられている。 「LUSIXは2023年までに生産量を2倍にし、市場をさらに加速させるだろう」と、The MVEyeのハーウィッツは述べている。 また、この決定にはLVMHのCEOであるベルナール・アルノーの息子であり、タグホイヤーブランドの責任者でもあり、Tag Heuerブランドの責任者であるフレデリック・アルノーが影響した可能性もある。今年の初めにタグホイヤーは、ラボグロウンダイヤモンドを使用した36万ドルの超高級時計を発表した。「それは従来のダイヤモンドをラボグロウンダイヤモンドに置き換えることではありません。私たちは、このテクノロジーによる特別なものを使用しては、新しい形、質感を可能にします。」と同氏はヴォーグ・ビジネスに語っている。この息子のラボグロウンダイヤモンドに対する取り組みが、父親でありCEOであるベルナールのラボグロウンダイヤモンドへのリサーチと投資を促したのかもしれない。

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CVDラボグロウンダイヤモンドの最大記録更新 – エメラルドカット 30.18cts

CVDラボグロウンダイヤモンドの最大記録更新 – エメラルドカット 30.18cts 2022.06.10 2022年6月9日、IGIは現時点で世界最大となる30.18ctsのCVDラボグロウンダイヤモンドを検査したと発表した。「プライド・オブ・インディア(Pride of India)」と名付けられたこのエメラルドカットのCVDラボグロウンダイヤモンドはEthereal Green Diamond LLPによって生産され、2022年6月10日から13日までJCKラスベガスショーに展示される。 生産者であるEthereal Green Diamond LLPは、大粒で高品質のラボグロウンダイヤモンドの世界大手生産者を目指し、ラボグロウンダイヤモンドのカテゴリーにチャンスを見出してきた。「倫理的に生産され、そして長く使える商品を選ぶことは、地球と社会のためにあなたができる最高の選択肢の一つです。」とEthereal Green Diamond LLPのマネージングディレクターであるHirav Anil Viraniは言う。 CVD(化学気相蒸着)プロセスを使用して栽培されたこの「プライド・オブ・インディア」は、Hカラー、VS2クラリティとしてグレーディングされた。このダイヤモンドはタイプIIaであり、原石の成長には約4週間かかっているという。Viraniはまだこのようなダイヤモンド生産で記録更新を計画しているといい、「IGIは最大のダイヤモンド鑑定組織で世界中に研究所があり、素晴らしい顧客主体のチーム、最高の技術と設備を持っています。IGIでダイヤモンドを検査することにより、信頼と自信が得られます。」と語っている。 IGIインドのマネージングディレクターであるTehmasp Printerは、ダイヤモンド、宝石、ジュエリー業界における分析、透明性、情報開示の重要性について「エンドユーザーの利益を保護するための方法と技術の開発における絶え間ない研究は、IGIの最優先事項です。私たちのチームは、そのような壮大な作品が正確に評価されることを保証する方法を継続的に探しています。」とコメントした。 IGIは2021年8月に、当時最大のCVDラボグロウンダイヤモンドであったEthereal Green Diamond LLP製の14.6cts「Freedom of India」を検査している。 CVDラボグロウンダイヤモンドの最大記録は今年の5月25日にGleenlabが27.27ctsを記録したばかりだが、僅か1ヶ月未満で更新されたことになる。 世界のラボグロウンダイヤモンドの市場規模は2020年に193億ドルと評価されており、2030年までに499億ドルに達すると予測されている。また2021年から2030年までの年間平均成長率は9.4%と予測される。CVDは2020年にラボグロウンダイヤモンドの市場シェアでリードし、今後の期間を通じて優位性が維持されると見られている。 プライド・オブ・インディアは、JCKショーのブース番号8135に出展される。

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ラボグロウンダイヤが老舗の救世主に?「ENEY」予想以上の反響のワケ

ライフスタイル 2022/06/07 14:00 ラボグロウンダイヤが老舗の救世主に?「ENEY」予想以上の反響のワケ シトウレイ , OFFICIAL COLUMNIST シトウレイの気になる人に会いに行く! 「ラボグロウンダイヤモンド」を使用したENEYのジュエリー 銀座の老舗百貨店「松屋」に、あるジュエリーブランドが新たな風を吹き込んでいる。サステナブルな石としても注目される「ラボグロウンダイヤモンド」を使用したブランド「ENEY(エネイ)」だ。 コロナ禍で伸び悩む松屋の新規事業として、2021年8月にスタートした同ブランドの魅力は、2万円からという手に取りやすい価格と、気軽に身につけられる多様なデザインである。 そんなENEYの世界観を、ブランディングディレクターとして立ち上げ時から支えているのが「Celvoke」元ディレクターの田上陽子。ナチュラルビューティー業界で多くの支持を集めてきた田上と、老舗百貨店がタッグを組んだ注目ブランドの戦略とは。シトウレイがインタビューする。 (左から)シトウレイ、「ENEY」ブランディングディレクターの田上陽子 ラボグロウンダイヤモンドとは? シトウ:そもそもラボグロウンダイヤモンドって? 天然ダイヤとどう違うか聞かせてもらってもいい? 田上:天然ダイヤは、地底で炭素が数千年から数億年かけて結晶化したものですよね。一方ラボグロウンダイヤモンドは、地底で炭素が結晶化する環境をラボ内に作って育てた合成ダイヤモンドです。欧米では3〜4年前から急速に市場を拡大しています。 合成とはいえ、いわゆる模造石・類似石とはまったく異なります。ダイヤを育てていくので、ふたつとして同じものはできません。アメリカでは、連邦取引委員会によって「ダイヤモンドである」と認められています。 また、天然資源を枯渇させるものではないので、サステナブルな石として海外のセレブリティの間で注目を集めています。ダイヤモンドの採掘現場では、様々な課題も残っていると言われています。ですので、私も「サステナブルな石」というところにとても共感しました。 シトウ:お値段的にも違うの? 田上:全然違います。天然ダイヤの半分ぐらいの価格で買える点も魅力ですね。 合成ダイヤのネガティブイメージを変える シトウ:ENEYは2021年8月にスタートして、日本でも少しずつラボグロウンダイヤモンドが浸透してきました。まさにゲームチェンジャーじゃないかなと。 「松屋」さんという銀座の老舗百貨店が立ち上げたブランドだという安心感があるからこそ、合成ダイヤにつきまとう”偽物?”というネガティブイメージを払拭できたのかなって。なぜ百貨店でやろうと思ったのですか。 田上:島田さん補足お願いしてもいいですか? 島田成一郎(松屋銀座 スタートアップ事業課長):僕が今の時代の消費者に受け入れられる、新規性のあるブランドを立ち上げたくて。元々売り場を担当していて、コロナ禍で客足が減少するのを目の当たりにしていたので、「現場ではこんなことが起きている、今までと同じことをやっていては生き残れない。だからやらせてください」って上に訴えたんです。 時間はちょっとかかりましたけど、「その熱意があるならやりなさい」といってもらえて。 田上:エナジーがありますよね! 島田さんは大学の先輩で、私がフリーになったのを聞きつけて、声をかけてくれたんです。 あえて攻める「ENEY」のデザイン シトウ:ENEYってどんなブランドなの? 田上:ENEYのコンセプトは「様々なエナジーを循環させる」です。「ENEY」という名前も、「any」と「energy」の造語なんです。例えば島田さんの熱い思いや、地球のエナジーへの感謝の気持ち、石を持つことでお客さまが感じるエナジーなど、いろんな「エナジー」がENEYをとりまいているイメージです。 私自身、コロナ禍でライフスタイルやウェルネスに関心が向き、「エナジーは目に見えないけれどとても大事なものだ」と気づいたので、このようなコンセプトにしました。 天然石は人にパワーを与えるといわれていますが、ラボグロウンは逆にパワーやエナジーを込めることができて、自分だけの石に育てることができるんじゃないかなと。そういう意味も込めています。 ジュエリーのデザインも「エナジー」をテーマにしています。シーズンごとに別のデザイナーにお願いしているのですが、その基準は「ブランドのコンセプトに賛同してくださる方」ですね。コンセプトはしっかり置いておいて、そこにいろんなデザイナーが考える「ENEYらしさ」が加わったらおもしろいなって。 シトウ:ファーストコレクションをお披露目会で見た時に、「攻めたねぇ!」って印象を受けました。 田上:まさに。「攻め」は常に意識していて。今までのダイヤモンドのイメージを変えたかったんです。バランスは大事ですけど、エッジのあるイメージにしたいと思っていました。天然ダイヤの使用シーンとしてオケージョンに限られている印象があったので、それを変えたいなと。 シトウ:なんだろう、「ザーマス系」とでもいうか。 田上:そう! ラボグロウンダイヤは値段も手ごろなので、デイリーに使ってもらいたいと思って。「かわいいな」と思って見たらダイヤがついていて、「ラボグロウンダイヤっていうんだ」みたいな自然な流れで入ってほしい。 安価なためカッティングも気軽にでき、いろんな形にデザインできるんです。今私がつけている半月型のダイヤも、天然石だともったいなくてなかなかこんな風にカットできません。 シトウ:衝撃的! こんなデザイン本当に初めて見る。こんなことやってもいいんだ! 田上:天然ダイヤではあまり使われないシルバーの台座の商品もあります。プラチナからシルバーにするだけで価格も下がるし、デイリーに使いやすくなるんですよね。 今まで天然ダイヤを使っていたお客さまにも、デザインを楽しめるということで興味をもっていただいています。 シトウ:一番人気のアイテムは? 田上: 繊細な輝きが特徴的なピクセルシリーズです。エナジーの原子を「小さな球体=ピクセル」で表現しているのですが、一つひとつの球体にカッティングが入っているからこその輝きなんです。日本の高い技術から生まれました。 PIXEL VERTICAL SYMMETRY RING TETRA(ピクセル 4連 チェーンリング)、税込2万6400 円 シトウ:うん! すごいキラキラしてる! いろいろ見ていると、同じブランドとは思えないくらいシリーズごとにデザインが全然違いますね。...

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ラボラトリーダイヤモンドを見分ける

Shenzhen SSCT Diamonds Co., Ltd. ラボラトリーダイヤモンドを見分ける ラボラトリーダイヤモンドは、あらゆる点で本物のダイヤモンドですが、採掘されたものではなく、実験室で育てられたものであることを識別するために使用される様々なメソッドがあります。消費者が自分でできる検査もあれば、宝石商の助けが必要な検査もあり、最大手の宝石研究所にしかできない検査もあります。 CVD Diamonds  

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